亀次郎の予備試験記録部屋

令和元年(2019年)の予備試験の受験記録、再現答案、勉強方法についての備忘録

2019 予備試験 現場での感覚 (実務基礎)

実務基礎科目編

 

 

事前準備

・基本的に、実務基礎の勉強は辰巳の赤本青本で事足りる。過去問や模試で問われたところを赤本青本に落とし込む。するとまだ問われたことのない部分も浮き出てくるから、余裕があればそこを確認しておく。今回の保証と代物弁済にヤマをかけられたのもこの方法のおかげ。

・過去問を試験前の1週間は毎日民実刑実両方を1時間半程度で答案構成できるように練習をして復習しておく。

 ・答案構成用紙はルーズリーフなどを使い保存できるようにする。

・間違えた請求の趣旨などは誤りを正すいい機会なので赤で訂正して二度と間違えないように注意する。

・このルーズリーフ(高々7枚だが)を超直前(着席前)に見直す。

 

模試の活用方法

 実務基礎科目は知ってるか知らないかで大きく点数が変わってしまう科目なので、模試を活用して知識の穴を塞いでおくのが重要となる。模試は出題可能性の高い分野を突いてくる。伊藤塾の直前模試は勉強の準備が間に合っていなくても受けておいて損はない。

 その分野が出なくても損はしないが、万が一出てしまえば、復習をした人としなかった人の差が歴然となってしまうため必ず徹底復習する。

 

問題文↓

http://www.moj.go.jp/content/001299740.pdf

 

民事

今年は伊藤塾の模試を受けていたが保証契約が出ていた。復習しておいてよかった。ラッキー。

債権譲渡は、間違えてしまった。普通に考えれば、対抗要件の具備は再抗弁なので勉強不足を反省する。

 

執行についてはノーマークだった。初めて執行法を見た気がする。しかし保全の方で条文の配置や仕組みは慣れていたので、あわてないで条文を1条から斜め読みして適切な条文を探せたと思う。合ってたらラッキー。

 

譲渡禁止特約につき悪意の抗弁の条文を適切に見つけられた。ラッキー。

 

代物弁済については、これは過去問研究からまだ聞かれていないので出題されるのではと試験開始45分前に朝飯を食べながら個人的に予想していた。条文からは終局的移転とか、対抗要件の具備の言葉までは導けないのでヤマ張っていなかったら危なかった。ラッキー。

 

2段の推定についても直前に復習していた。そこででていた印鑑の保管場所を知っていた人が家に来て1人で過ごしたので一段目の推定を覆すという主張に、そんなのその人いなくなってて証明できないじゃんという反論をそのまま使うことができた。ラッキー。

答弁書作成問題では、毎回少なくとも2つは書く要素が欲しいと思っていた。今回は問題で文書の成立の真正にふれることと指定があり、あとはYの母ちゃんが出てきてるのでこれも使おうと思ってなんとか使った。

 

 

刑事

 

設問1

罪証隠滅のおそれで反射的に勾留の話かと思ったが、条文を書き写す際に81条に違和感を覚えて条文を引いたら接見禁止の要件における罪証隠滅のおそれということが判明。あわてて考え直す。81条の違和感に気づけてラッキー。

 

設問2

直接証拠か、が聞かれたら絶対その定義を確認!これも準備していた。ラッキー。

 

設問3

公判での主張を答える問題。法律専門家の裁判官と検察官のいる公判であんまりだらだら判例通説の解釈論をご紹介しても仕方ないのではということで、ザ・法律書面というよりも簡単に要件該当・不該当を主張する。

 後段は多数回という点から過剰防衛も主張しておくべきかとも思った。でも過剰防衛は検察官が相当性のないことの証明に成功した場合に勝手になってしまうものなので、こっちから主張するものでもないかと思いカット。主張すべきだったかな。

 

弁護士倫理が最後ではなく問4に配置されるという新設定に驚いた。おそらく、いつも弁護士倫理は後回しにされて尻切れとんぼ答案が多く弁護士倫理の先生(そんな人いるのか?)たちが、「ちょっとはまともに書いてみな」と言っているのが伝わってきた。

 内容的には準備していた典型的な真実義務と誠実義務の衝突の事案で、消極的真実義務にも反する場合だったので間違いは書かなかったはず。ラッキー。

 

5は、請求済みの証拠にオレンジマーク、不同意の証拠に黄色でバツをつけて残った証拠で使えそうなものはと悩んで12にした。試験後、「11から13まで」が証拠請求されていることに気づき愕然とする。しかし、これを読み落としていなかったら何を請求すればいいのか分からずかなりパニックなったと思われる。ごねるとすれば、「新たな証拠の請求」の「新たな」は「請求」にかかるとも読めるから、証拠として新しい必要はなくこれでもオーケー!と思いたい。

本来は普通の文章中にあるBの勾留質問調書を請求するとするのが本問の答えだったと考えられる。これに気づけた人は偉い!でもそれに気づけた場合、321の伝聞例外の要件該当性の検討がひどくあっさり終わってしまう。12は状況から見て確実に321の伝聞例外にあたる上に、その検討もかなり充実させられる。だから12もあながち悪くなかったのかもしれない。どちらにしても何かモヤモヤする設問だった。

実務基礎科目は問題文が膨大な上に、民事では割と細かく読み込むことが必要になるため、刑事はその細部まで読み込む時間がない。なんとか問題文の周辺から空気を読んで解答する力が必要になる。今回刑事の問15などはまさに、受験生のこの盲点を突いているものだといえる。

 

試験を終えて

今考えると、今回の実務基礎科目はかなり簡単であったものの差がつく問題だったといえると思う。勘違いや、準備不足が如実に点数と評価に反映されそうだ。

 自分は事前に運良く準備していた部分についてはうまく答えられた。多くのラッキーに助けられて下位のAくらいにはなっているんではないか。

結局相対試験なので、どうなるかは周り次第であるが、書き負けていないことを願って主観は民事刑事でA