2019 予備試験 現場での感覚 (試験戦略)
これから数回にわたって、試験を受けるにあたって、自分が気をつけていたことを忘れないように記録しておこうと思う。単純に備忘録として記録しておきたいのと同時に、来年予備を受ける人の参考になれば嬉しい。
試験戦略編
以下答案構成とは、答案として何を書くのか中身を考える段階、答案作成とは、実際に答案用紙に書いていく段階を意味する。
総論
(1)六法を見るのは最初の1時間(実務基礎と民事系は1時間半くらい)だけと心得る
答案作成時に法文を開く時間が非常にもったいないと感じていた。握力でカチカチになっている指を開いてペンを置き、慣れない六法の慣れない場所にある条文を探すだけで一苦労だし、たとえ条文が見つかってもまたペンをとって答案用紙と六法を交互に見ながら答案を書いていてはとても時間内に満足のいく答案はかけない(実際、今年の民法の時間切れは商法での条文検索の遅さが一因だ。長時間の試験で目が疲れて条文にピントがうまく合わないという老人のような症状も起こる)。
そこで、どの科目も答案構成段階で必要な条文と問題となる文言は自分にわかるように略して書き出しておき、答案構成が終われば一気にそれを書き写すだけにしておく。(あくまで目標、必要なら見なくちゃダメ)
(2)答案構成 2科目合計約60分 (必要ならそれ以上でも可) 大切なのは焦らずじっくり悩むこと
ア 「はじめ」の合図ですべきこと
「はじめ」の合図で、まず問題とすべきことは、あの青いテープをいかにストレスなく破るか。表紙の一枚だけをつまんで切ろうとしてもとうまく切れない。ここで1秒手間取れば、終了間際に5文字が書けなくなる。
問題冊子の5ページ目くらいのところに素早く指を入れて一気に開く。
イ 全体をスキャンして心の平静を保つ
キレイに開封することに成功したらざっと両科目に目を通して、10分以内で全体を見渡す。大体分かる問題なら安心できるし、大体の時間配分をここで決定する。この時に、重要そうな文の主語(太線)述語(下線)にフリクションマーカーでラインを引いておく(特に設問自体)。
ウ 答案構成 -ここで勝負はきまる-
2回目は少しじっくり読む。答案構成には、1科目につき問題冊子の空いているページ1枚程度を使う。高校数学のように真ん中に縦に線を入れて、だらだら横に続いて書かないようにすると、瞬時に必要な情報を確認できるのでよい。
基本的に主張反論を考えて行けば問題点には気づけるはず。問題点に気がつけば、「何がなぜ問題なのか」はしっかり書いて、六法をひき、条文文言、要件、趣旨、規範、そしてあてはめまでの論述を自分にわかる程度に略し、キーワードと接続詞の頭文字くらいを書き出しておく。
1科目目の答案構成が終わった時点で30分くらいなら上出来。答案作成には移らず、2科目目の答案構成へ。同様にして2科目目の答案構成終了時点で70分くらいなら全然間に合う。リラックスする。緊張すれば肩に力が入りますます書くのが遅くなる。水分補給するならこのタイミングでする。
とはいえ急いで答案作成へ。
(3)答案作成 2科目合計約80分
この時、答案構成の時点で、「何がなぜ問題となるのか」の部分がしっかり書けていないと、2科目目の答案構成を終えて1科目目の答案を作成しようとする時、そして1科目目の答案作成をおえて2科目目の作成に移った時に論点自体を思い出すのに余計な時間がかかってしまうので問題点の指摘はなるべく答案にそのまま書けるレベルで書いておいて、答案に書き写しながら何を書こうとしていたかの記憶を回復させていくようにする。
解答に際して、問題検討する機会は、開始直後のスキャン時、精読し答案構成する時と、答案作成時の3回ある。それぞれ他の科目を挟んで検討するのでリフレッシュした視点から問題を発見できたりする。(→実際、刑法で横領否定し、背任に流すあたりは、答案作成時に横領の未遂の条文を確認していなかったことに気づき、これを探して見つけられず、初めて気付いた。こういうこともある。)
もっとも、基本的には答案作成の段階ではほとんど何も新しいことは考えない。書いて書いて書きまくる段階
最終的に答案作成時までに気づけなかったものは諦めるしかない。
多少殴り書きでも読んでもらえる(友人の字は自分には判読不能だが上位合格している)から、とにかく書き切る(自戒)こと。