亀次郎の予備試験記録部屋

令和元年(2019年)の予備試験の受験記録、再現答案、勉強方法についての備忘録

令和元年(2019年) 予備試験 民法 再現答案 閲覧注意!!

第1設問1
1 DはCに対して所有権に基づく返還請求権としての本件土地明渡請求をしているところ、Cは、Aからの贈与を受けたことで、本件土地の所有権はAからCに移転し、Bはこれを相続できないから、Dが本件土地について設定した抵当権設定自体がCとの関係では効力を有さない結果、Dはこの抵当権を実行しても本件土地の所有権を取得しない旨反論し得る。
 この点、たしかに、登記に公信力はないため、DがB名義の登記が本件土地にあることを信頼してもこの信頼は保護されないのが原則である。しかし、Dは本件土地がBの所有に係る土地であるという外観を信頼したのであり、かかる信頼を保護する必要がある。そこで、権利外観法理の具体化である民法(以下略)94条2項を類推適用することによって、第三者たるDを保護することはできるか。具体的には、①虚偽の外観の作出について本人に帰責性があること、②虚偽の外観の存在、③これへの信頼、がある場合には、その外観を信頼して取引をした第三者を保護すべきである。
 本件では、CはAから贈与を受けてから8年もの間本件土地の所有権移転登記を了しておらず、虚偽の外観作出に帰責性ありといえる(①充足)。そして、Bは、Aから自らに相続を原因とする本件土地の所有権移転登記を了し、虚偽の外観が存在した(②充足)。そしてDはこれを信頼してBと抵当権設定契約をしたのであるから信頼もある(③充足)。また、本件のように本人に帰責性が認められる場合は、第三者は単純善意であることをもって足りると解されるところ、Dは、本件土地についてCが所有権を有することを知らなかったのであるから、善意であるといえる。よって、Dは抵当権の設定およびこれの実行による所有権の獲得を有効とすることができる。
 
2 としても、Cは、本件土地について、借地権の登記がないが、本件土地上にCが「登記されている」本件「建物」を「所有」しているから、借地借家法10条1項に基づきDに対して、借地権を対抗することができ、Dの請求を拒むことができる。
 
第2設問2
1CのDに対する本件地の所有権に基づく妨害排除請求権としての、抵当権設定登記抹消登記請求に対して、Dは、